SANPUです。
以前、社畜がやるべき資産運用として投資信託やETFでインデックス投資をおススメしました。
今回はインデックスの投資先について、どの地域の指数が良いかを考えていきたいと思います。インデックス投資をするのであれば、長期でより安定的、より良い成績をだせる商品へ投資したいと思うはずです。今回の記事では過去の成績を比較しどれに投資すべきかが参考になるかなと思います。自分も投資初心者であり、記事を書きながら自分の投資先に対する考えをいまいちど整理しました。
結論から言うと全世界株か米国株のどちらかかもしくは両方でインデックス投資をするのが良いと思いました。元々自分は両者の特徴を考慮したうえで両方ともに投資をしていますが、引き続き続けていこうと考えています。
インデックス投資の選択肢としてはどのような種類があるか?
インデックス投資をする場合、ほとんど下記のどれかへ投資することになると思います。
①全世界株インデックスファンド :先進国&新興国を含めた全世界株の指数に連動するファンド
②米国株インデックスファンド :米国のみで構成された指数に連動するファンド
③先進国株インデックスファンド :先進国株のみで構成された指数に連動するファンド
④新興国株インデックスファンド :新興国株のみで構成された指数に連動するファンド
⑤日本株インデックスファンド :日本株のみで構成された指数に連動するファンド
①~⑤の各地域ごとに複数の投資信託商品があります。同じ地域名の商品でも連動する指数が商品により異なることがあるため、商品により多少の成績の差はありますが、ほとんど変わらないと思います。そのため、どの地域に投資するかを決めて、あとは信託報酬ができるだけ低い商品へ投資することが重要と思います。
各インデックスファンドの過去実績を比較
では、実際に各インデックスファンドの過去実績を比較していきます。
指数としては下記を使用しています。同じ国や地域でも複数種類の指数があり、指数によって多少成績は変わりますが、大きくは変わらないためこれで地域ごとの傾向はつかめます。
・全世界株:MSCI MSCI All Country World Index
先進国23か国、新興国25か国の大型・中型株で構成されており、全世界株式の時価総額の約85%をカバーするインデックス。
・米国株:MSCI USA
米国の大型・中型株で構成されており、米国株式の時価総額の約85%をカバーするインデックス。
・先進国株:MSCI World Index
先進国23か国の大型・中型株で構成されており、先進国株式の時価総額の約85%をカバーするインデックス。
・新興国株:MSCI Emerging Markets Index
新興国25か国の大型・中型株で構成されており、新興国株式の時価総額の約85%をカバーするインデックス。
・日本株:MSCI JAPAN
日本の大型・中型株で構成されており、日本株式の時価総額の約85%をカバーするインデックス。
まず、全世界株、米国株、先進国株、新興国株、日本株の長期での騰落率をまとめたグラフを見ていきます。1988年1月時点を100%とした場合の2022年までの各指数の騰落率です。
このグラフを見ると1988年から2022年の34年間では米国株が一番成績が良く、34年間で約1900%増加、すなわち約20倍になっています。
1988年に100万円投資していれば今頃2000万円になっていたということです。多少の上下変動はありますが、長期でみると右肩上がりです。昨今は米国株ブームですが、これをみると米国株に投資しておけば間違いないと言われるのも頷けます。特に2010年以降の成長が著しいです。これはGAFAMなどのハイテク企業の急成長によるものです。
逆に日本株を見ると、ほとんど横一線なのがわかります。34年間運用していても全く資産が増えなかったことになります。銀行に預けるのとほとんど変わりませんね。
同じ100万円を運用したとして、34年後に米国株であれば2000万円、日本株であれば100万円です。投資する商品を間違えるとこのような差が生まれるということです。減っていないだけ良いとは思いますがこの差は非常に恐ろしい・・・
逆に米国に投資していれば100万円が2000万円になったということなので、投資をしていなかった場合、このチャンスを逃したことになり、それはそれで恐ろしいと自分は思います。
その他の地域も見ていきましょう。全世界株と先進国はほとんど差が無いですね。自分も重ねてみて初めて知りました。若干先進国の方が良いかなくらいですが、だいたい両者とも7~8倍です。米国の驚異的な成績をみてからだと少ないような気がしますが、100万円が34年間で約700~800万円になるので十分でしょう。銀行に預けるよりは断然良いです。
新興国株はだいたい12倍くらいですね。100万円が34年間で1200万円。こちらもかなり魅力的ですね。ただ、新興国のグラフをみるとかなり上下の変動が激しいように見えます。1990年代や2000年代は急激な上昇で米国を上回っていますが、そこからあまり伸びずに最終的には米国に抜かれている状況です。成長にムラがある感じですね。また、暴落局面では他の指数よりも低下率が大きいのでそれなりにリスクが高いことがわかります。
上記の結果をみると、長期的に運用するなら米国か新興国に投資をすれば資産を増やすことができるんだと思いますね。ただ、今後の34年間も同じ結果となることが保証されているわけではないので注意は必要です。将来米国が没落する可能性だって0ではないと思います。また、34年前から米国や新興国に投資しておけばと後悔したくなりますが、そんな簡単な話でも無いのです。34年前に米国と新興国が34年後にこのような資産増加を果たしていると予測することができた人なんていなかったと思いますので・・
今回の結果は1988年から2022年の34年間ではこうだったというだけで、あくまで結果論になります。
しかし、そうは言っても34年間という超長期でみてこの結果なのだから、今後もこのような傾向になる可能性が高いのではないかなと思えますし、自分で投資先を決めるうえでの判断材料の一つとして参考にはなるかと思います。
ただ、今回の結果だけで満足し投資先を決めるのは早いと思います。今回のグラフからは見えずらいですが、実は切取る期間によっては景色がガラリと変わってきます。このグラフでは見えずらい現実も鮮明に見えてきます。その現実を考慮して投資先を決める必要があります。次回、これらの指数について、期間を分けて細かく見ていき、最適な投資先について考えていきたいと思います。
ここまでのまとめ
1988年から2022年の34年間運用を続けた場合は下記結果となります。
①全世界株インデックスファンド :7~8倍 (100万円が約700~800万円になる。)
②米国株インデックスファンド :20倍 (100万円が約2000万円になる。)
③先進国株インデックスファンド :7~8倍 (100万円が約700~800万円になる。)
④新興国株インデックスファンド :12倍 (100万円が約1200万円になる。)
⑤日本株インデックスファンド :1倍 (100万円が100万円になる。)
米国が驚異の20倍という結果で、魅力的な投資先ですね。次に新興国が12倍で、これも十分魅力的と思います。その次は全世界・先進国が同等で7~8倍で、米国・新興国と比べるとパッとしませんが銀行に預けるよりは断然良いです。そして、残念ながら最下位は日本で1倍(=変化なし)でした。リスクを冒して投資しているのに銀行に預けるのと同じで変化なしというのは何とも情けない結果ですね・・・
この結果から、投資先を間違えると大きな差が生まれることと、適切に投資できれば資産がかなり増えることがわかりました。
今回の結果からみると米国もしくは新興国への投資が正解と思われるかもしれませんが、あくまで過去34年間の結果論でかありません。今後も米国が一番成長し続ける保証はありませんし、米国が没落する可能性だって0ではありません。また、切り取る期間を変えるだけで景色がガラリと変わります。
そのため次回はもう少し細かく各指数を見ていき、どこへの投資がベストかさらに深堀したいと思います。