SANPUです。
最近、ロシアとウクライナの戦争や米国の利上げの警戒などにより世界的に株価が下がっています。
以前の記事で投資するなら全世界株インデックスか、米国株インデックスと書きましたが、暴落が来た場合、資産が減って戻らないのではないか気になりますね。実際に暴落が来た場合どうなるのか、過去の実績から見てみようと思います。
↓以前の記事はこちら。
その1
その3
今回、下記3点を見ていきたいと思います。
①暴落しても元に戻り成長していくのか!?
②暴落時にどれくらい資産が減るのか!?
③暴落時、どれくらいの期間で元に戻るのか!?
①暴落しても元に戻り成長していくのか!?
まずは長期での全世界と米国のチャートです。
暴落が起きた日本バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックの期間を黄色にしています。前回のグラフからもわかってはいましたが、歴史的な暴落が起きても結局は株価は元に戻り、何事も無かったかのように右肩上がりに成長していくことがわかります。短期投資であれば資産を大きく減らすことがありそうですが、長期で見ればあまり影響は無く見えます。
また、長期投資終盤にこの暴落がきたらと思うかもしれませんが、もし20年程度続けていれば、今までの実績からはプラスになっていますのであまり心配はなさそうです。ITバブルの最大下落時は2003年あたりですが、7年前の1996年あたりの株価に戻っているだけなので7年以上投資を続けていればマイナスにはなってないですね。リーマンショックは最大下落時は2009年あたりですが、12年前の1997年あたりの株価に戻るだけなので、12年以上続けていればマイナスにはなっていません。(暴落によりプラス幅が減るのは悔しいとは思いますが・・)
②暴落時にどれくらい資産が減るのか!?
実は上のようなグラフですと、株価が小さいときの暴落時の下落が小さく見えてしまいます。同じ10%の暴落でも、昔の株価が小さいときの10%(例:100円の10%=10円)と株価が大きいときの10%(例:1000円の10%=100円)では数値に差があり、昔になるほどグラフの減り具合が小さくなるためです。従って、グラフ上では暴落のイメージがつきづらくなります。その場合は縦軸に対数目盛をとったグラフにすることでイメージすることができます。
一番目のグラフでは日本バブル崩壊はほとんど暴落に見えませんでしたが、対数表示するとそれなりに見えますね。コロナショックと同じくらいでしょうか。
一番目のグラフではITバブルやリーマンショックはコロナショックと同じくらいか少し大きな暴落程度に見えましたが、対数表示するとコロナショックの倍以上暴落していることがわかりますね。コロナショックでもかなり暴落したように思いましたが、ITバブルとリーマンショックはとてつもないですね。
それぞれの暴落時の下落率を数値でまとめると下記のとおりです。
やはり、リーマンショックは凄まじいですね。全世界株では一時的に56%も資産を失ったことになります。短期での投資であれば、メンタルやられるかもしれませんね。
長期で投資するとしても、この減少をどう感じるかは重要ですね。長期での運用であれば一時的な減少で運用を続けていれば何もなかったように成長していくはずですが、この一瞬でメンタルがやられるのであれば長期投資を続けるのは難しいと思います。
これに関しては、自分がどのくらいの暴落に耐えれるかを想定しておくのが良さそうですね。「1000万円投資して500万円になるのであれば耐えられるけど、5000万円が2500万円になるのは耐えられないから投資はその間に抑えよう。」とか、「でも、貯金が5000万円別に用意できれば5000万円が2500万円になっても耐えれそう」みたいな感じで投資額や投資比率を考える感じですね。
逆に、「株価値下がり中でバーゲンセールだからチャンスだ!買い増ししよう!」くらいに考えることができると良いですね。株価が下がれば下がるほど、のちの成長相場でより資産を増やすことができます。
③暴落時、どれくらいの期間で元に戻るのか!?
それでは、暴落しもとに戻るのはどれくらいの期間を要するのか確認していきます。
下の表は暴落期間と元の株価に戻るまでの期間をまとめた表です。
1⃣は暴落前の最高値から最大下落時までの期間、2⃣は最大下落時から暴落前最高値に戻るまでの期間です。1⃣+2⃣は暴落開始から暴落前までの株価に戻る期間になります。
これをみるとコロナショックは全世界は9ヶ月、米国は7ヶ月で元の株価に戻っており、1年待っていれば株価がプラスになっています。比較的元に戻るまでが長いのが、
ITバブル崩壊とリーマンショックです。全世界株ではともに80ヶ月程度で7年くらいかかっています。米国株はリーマンショックは66ヶ月ですが、リーマンショックでは92ヶ月と8年程度もかかっています。また、ITバブル崩壊とリーマンショックは連続して起きており、ITバブルで株価が復活しそうなときにリーマンショックで再度株価が下がるようなことになっています。それを考慮すると160ヶ月程度と14年間ぐらいも株価が戻らなかったことになります。
株価が戻るのに14年となるとなかなか長く感じますね。短期目線の人には厳しいと思われます。ただ、長期目線の人であれば、問題ないと思います。投資終盤での暴落であれば上記したように暴落がきてもマイナスにはなっていませんし、投資序盤での暴落であれば今後20年程度見ておけばプラスになると考えられます。むしろ戻るまでの期間、割安で買い増せると思うと逆にチャンスです。
まとめ
過去実績のチャートをみると暴落がきても結局は株価が元に戻り、右肩上がりを続けることがわかりました。また、例え暴落がきても、20年ぐらいでの長期運用をしていればマイナスになることも無いとわかりました。(今回の確認ではリーマンショックが最大で12年前の株価に戻るだけ。)
最大下落率と株価が元に戻るまでの期間の表を再度貼り付けます。
最近の暴落の中ではリーマンショックが最大で56%の株価下落です。株価が下落してから元に戻るまでにはITバブル崩壊が最長で92ヶ月でした。ただ、ITバブル崩壊から株価が復帰した瞬間にリーマンショックが発生したため、ITバブル崩壊から実際に株価の成長を感じられるまでは160ヶ月程度かかっています。約14年ですね。
最悪、自分の資産が56%減り、それがだいたい14年間元に戻らない可能性があるというのが最悪ケースとして想定しておく必要があるということですね。それらを考慮し投資額や比率を検討するべきと思います。暴落での資産減と長期間戻らないことで投資を止めてしまうのが一番の損失です。
今まで書いてきたことを頭に入れておけば投資終盤での暴落であれば暴落がきてもマイナスにはなりませんし、投資序盤での暴落であれば今後20年程度見ておけばプラスになると考えられますので一時的な暴落に怯むことは無いと思います。逆に、暴落しそれが続くことはバーゲンセールで割安で株が買い増せると思える気がします。
ちなみにこの結果は初期に投資し、追加投資をせずに運用を続けた場合です。毎月定額で購入する積立投資をしていれば14年間もマイナスが続くなんてことは無いのです。これはドルコスト平均法と呼ばれる手法により平均化されるからなんですが、これについてはまた別の機会に書いていこうと思います。
以上です。